DCコネクタ増設

いろいろアクセサリ類を増やすと電源コネクタがたくさん必要になってきます。
以前はエーモンから増設用のコンパクトなコネクタが売られていたのですが製造中止になったのか最近は見当たりません。そのためシガレットライター用のプラグとソケットを使用していますがアテンザのシガレットライターソケットから取り出すと蓋がしまらなくなり美しくありませんし、シガレットライターへの配線も細いので 電圧降下が気になります。

そこでバッテリーから直接取り出した+12Vを供給するように配線を変えました。
もちろんリレーを入れてAccに連動させ、イグニッションを切れば電圧がかからないようにしています。またソケットを二つ用意し、片方はダッシュボードのスイッチでON/OFFできるようにしました。

  配線図  
  部品  
  工具  
  バッテリー部分の配線  
  リレーとフィルター  
  スイッチ  
  シガレットライターソケット  
  配線と安全  
     
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配線図

回路はシンプルですが次の点に留意しました。

電源はバッテリーのプラス端子から直接取る。
供給電流はトータルで最大20Aとし、2Sq(スクエア)の線を使用する。
グランド側の配線はボディに接続する。
Accに連動したリレーを使用する。
機器側はシガレットライターソケットを使用する。
(将来必要であれば別途高信頼性の端子を増設する)

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部品

部品はほとんどオートバックスで購入しました。最近は自動車用品店でも品揃えが豊富になり入手が容易になったので助かります。

使用するリレーです。
価格が安かったのでエーモンの1245を使用しました。
接点容量が20Aあるのでアクセサリー類ならたくさん使用できます。
配線の色も示されています。
リレー本体にコネクタを付けた状態です。
制御用2本、接点2本共にギボシ端子が付いていて紛らわしいので配線ミスを防ぐために制御用の2本は圧着端子で線を延長しました。
制御用の電圧はもともとのシガレットライターに来ている線から分岐して加えました。
     
ついでにKenwoodのノイズフィルターCN-200を入れました、ギボシ端子がついていたのでそのまま利用しました。最大電流は20Aです。
ノイズフィルターの出力側は圧着端子でソケット1、ソケット2と予備の3本の出力に 分岐しました。
抵抗を減らすために8スクエア用の圧着端子(スリーブ)で配線をまとめて接続しました。この部分はシャーシに接触するとショートして危険なので確実に絶縁処理しています。
   
ヒューズです、アテンザはミニサイズのブレードヒューズなので同じタイプのものにしました。
このように蓋を開けてミニブレードヒューズを挿します。
この写真ではまだヒューズは付いていません。
配線の保護用のコルゲートチューブです。
エーモンの「配線チューブ」ItemNo.1115を使用しました。外径5mm、長さ2mです。
   
シガレットライターソケットはカー用品店で販売されているものを使用しました、接点が安っぽい点が気になりますが、 いろいろ比べても大差なかったので落ち着いた外観のものを選びました。
定格で10A以上のものを探したのですが、どれも6Aでした。
   
スイッチはフォグランプスイッチを使用しました。
詳細はこちらをごらんください。
   

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工具

エーモンのItemNo.E2の「ターミナルセット」を購入しました。

使い方などの詳細はこちらのページをご覧ください。

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バッテリー部分の配線

バッテリー周りの配線の全体図です。
左上のプラス端子から中央のヒューズを経由してエアクリーナの外周を回って左下に抜けています。
グランド側はシャーシアースを使用しています。細い線でバッテリー端子に直結しても共通インピーダンスが増えて逆効果ですし、太い線は取り回しが大変なのでこのようにしました。
+端子への配線です。
短絡事故を防ぐ意味からは+端子から線を引き出したくないのですが、バイパスコンデンサ(ホットイナズマもどき)と今回の配線の2本を増設しています。
バッテリーを出てすぐのところに20Aのミニブレードヒューズを入れてあります。
ヒューズからバッテリー端子までの配線はヒューズでは保護されないので、できるだけ短くします。 2スクエアぐらいだとショート時は線自体が発熱で溶断するのでヒュージブルリンクとして機能しますが、外被が燃えだすので危険です。
バッテリーからの配線は左フェンダーの中を通しています。
シャーシにすれて被覆が破れてショートしないようにプロテクタをかぶせてあります。
この部分の配線の通し方はMS-310さんのサイトを参考にさせていただきました。

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リレーとフィルター

リレーやフィルターなどの主要部分はカップホルダーの下に取り付けました。パーキングブレーキの取り付けネジを利用して リレーとノイズフィルターを固定していますが、 ネジが太い(8Φ)のでそれぞれのパーツの取り付け穴を拡げました。
ドライバーズシート側から撮った写真です、グランド端子も共締めしてアースを取っています。
クリックすると配線の種別が表示されます。
   

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スイッチ

配線済みの状態です。
本来ならこのスイッチでリレーを働かせるのですが、簡略化するために直接電源をON/OFFしています。スイッチの定格が表示されていないのですが、3A程度は流せると見込んでいます。
スイッチの先端は外すことができます。
外した先端の裏側です。
緑色の部分はマークの裏側で、この緑色がマークの色になります。
このマークを外して、白色のプラ板に取替えました。プラ板にはレーザプリンタで透明シートに打ち出したマークを貼り、さらにその上に保護のプラスティックテープを貼っています。
これが完成したスイッチの外観です、ONにするとマークがオレンジ色に浮き出て純正風の感じになります。
マツダの純正パーツなので収まりは申し分ありません。
   

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シガレットライターソケット

シガーライターソケット1です。
Accに連動してイグニッションONまたはAccのとき電源が入ります。
アクセスが容易なようにドライバーズシートの足元に両面テープで固定しました。
   
シガーライターソケット2です。
これもAccに連動していますが、コインホルダー部のスイッチがONの時のみ電源が入ります。 スイッチを経由しているので合計の消費電流は最大でも2〜3A程度に抑えるつもりです。
コックピットがごちゃごちゃしないようにダッシュボードの裏の見えないところに強力両面テープで貼り付けました。

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配線と安全 [おまけの考察]

2sqの銅線は1mあたり約0.009Ωの抵抗があります。
バッテリーからセンターコンソールの下まで片道3m、グランド配線をして往復で6mの配線を引くと約0.054Ωになります。

ここに20A流れると約1.08Vの電圧降下が発生します

これには大きくわけて3つの影響があります。

1.供給する電圧が下がる

電圧が1.08V下がりますから、バッテリー電圧が12Vあっても10.92Vしか出てこないことになります。実はこれはたいした問題ではありません、自動車のバッテリー電圧は10〜16V位の範囲で大きく変化するので、自動車用の機器は変動しても動作するように設計されていて1V程度の降下は無視できます。
バッテリー電圧が10Vの時に1V降下したら、あまりうまくないのですが、エンジンがかかっている状態で10Vしかないのは故障と考えられますから無視します。

2.グランドの電位が上がる

これはちょっと影響が出るかもしれません。
配線の片側分、つまり0.54Vだけ機器のグランド(アース)側が車体のグランドより高い電位になります。もっともこれも自動車用の機器であれば 設計段階で折り込み済みと思います。

3.電源のインピーダンスが大きくなる

おそらくこの問題が一番大きいでしょう。
上記1,2では電流は常に20A流れていると想定していますが、実際は変動します。仮に1〜20Aの範囲で変動すると供給電圧もグランドの電位もその範囲で変動します。
別の見方をするとシャーシから見たとき+12Vのラインには約1Vのノイズがのり、同じく機器のグランドは約0.5V振られることになります(共通インピーダンス)
この変動をコンデンサで抑えようとすると電源インピーダンスが低いために大容量が必要になります。
二つの変動ではグランド端子の方が問題が大きいので、私はグランドはシャーシに落とすようにしました。これで他の機器との電圧の差は少なくなるのではないかと期待しています(気休め程度ですが)

上の理由からは線は太ければ太いほどよいという結論になります

一方太い線は安全面で問題があります

上の例で取り出した配線が短絡(ショート)した場合を考えてみます。
短絡時にバッテリーの電圧が7.2Vまで下がったとしても抵抗値0.054Ωの配線には約133Aの電流が流れますから、6mの配線は約1kWのヒーターに化けます。

もちろん通常であればその前にヒューズが切れるのですが、世の中トラブルが起きるときは安全装置もトラブルことがよくあります。

ここで配線を8Sqの太い線にした場合を考えてみると、抵抗値は1/4になるので流れる電流は4倍の530A以上になり、約3.8kWのヒーターということになります。
そこまで電流を流せるのか疑問になって調べてみたところ、高性能バッテリーは600Aで30秒流せるそうです(凄すぎます)

このように安全面からは太すぎる配線は避けるのが得策ということになります。

使用する電流値と接続する機器の特性を考えて配線も選択する必要があります。

注)ここではヒューズの抵抗は考慮していません。ヒューズの抵抗を考慮する必要がある場合、つまりヒューズが正しく機能する状態であれば大電流が流れる前に切れるので、ここで検討しているような問題は発生しません。

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